Terada Lab. ホーム > 研究内容 > 地球の進化と環境変遷
惑星環境の形成過程や変遷史の解明、様々な惑星環境のモニタリングに向けて、ESRやレーザーブレークダウン分光など様々な分析手法の開発を行っています。
ESR分析では物質中の電子スピンを対象とします。これはその物質の分子構造を反映するとともに放射線被曝量や熱履歴などを示します。これらの利点を生かして、宇宙空間や地球環境で起こった照射プロセス・熱史といった種々の物理化学的イベントを明らかにすることができます。
また有機地球化学と関連する炭素物質(kerogen)や腐食酸(humic acid)のESR、表面検知型ESRを目的としたマイクロ・ストリップライン(MSL)共振器の開発と感度向上、それを用いた含水物質の測定にも取り組んでいます。
テラワット級のフェムト秒レーザーの非線形効果を用いると、紫外域から赤外域までを連続的にカバーするコヒーレント白色光が実現します。これを用いた多波長後方散乱レーザーレーダーを実現し、大気中の微粒子の粒径分布や形状などを計測することに成功しています。
また深海や金星大気を想定して、高強度レーザーを用いた高圧気体、水中におけるレーザーブレイクダウン分光も行っています。半導体レーザーによる小型軽元素同位体比分析装置の開発も視野に入れています。
細菌検濁液に数10メガヘルツまでの高周波を与えると、細胞数や増殖作用により誘電分光スペクトルが変化することが知られています。この手法を地下生命圏や、将来の惑星における生命探査に応用することを期待して、古細菌であるメタン菌などで実験を進めています。
最近、電離層から大気圏、地殻の広い範囲 (Lithosphere-Atomosphere-Ionosphere: LAI Coupling) で地震に先行する電磁気現象が観測されています。電磁気現象の発生には、電気分極を発生させるメカニズムが必要です。
たとえば、地殻内の圧電効果や流動電位、positive hole伝導などがその原因として考えられています。岩石試料に応力を加える室内実験や、地震波、電離層観測データを用いた解析を行っています。また広範な地震前兆現象の記録や解析に強い関心があります。